1.生涯,聡明で,まだ匹敵する相手に会わず,
エサウ,イサクはみな過去の事となりました。
わたしは今,生死の境に至り,絶望してもなお自己に頼ります。
手が縛られることに耐えられず,
わたしは力を使いたいし,計略を使いたいのです。
2.だれかが陣営を討っているのをわたしは発見し,
心は恐れながらも強情でいます。
ただわたしの終わりの日がすでに定まることを恐れて,
全身のあらゆる力を尽くそうとします。
彼が来て格闘し,わたしは対抗したいのです。
死の窮地にまだ至っていないので,まだもがき続けたいのです。
3.不思議です! わたしは過去の経験を用いて,
一晩,格闘しても,彼は依然として倒れません。
わたしの力はみるみる減少しましたが,
彼には報復の意図がないようです。
不思議です! また身を脱することができないようで,
わたしの大胆さはまた増し加わります。
4.このような相手にかつて会ったことはなく,
彼はわたしに彼の名前を告げましたが,
わたしは戦っている相手はだれであったかを知らず,
ただ彼は莫大な褒賞を持っていることを知っています。
わたしは彼に迫ってわたしに祝福を与えさせ,
わたしに祝福を与え,屈服するよう彼に迫りました。
5.夜明けになっても勝負がつかず,
なすすべがなく,力もなくなったようです。
彼は迫られてわたしに祝福を与え,
またほめて,わたしは勝ったと言いました。
わたしの新しい名はイスラエルであると言い,
わたしが立ち上がると,もものつがいがはずれてしまいました!
6.かすかな光がわたしの暗い心に差し込み,
照らし始めてわたしに理解させました:
もしわたしに力があるなら,なぜ筋が触られたのでしょうか?
わたしが勝ったなら,なぜもものつがいがはずれたのでしょうか?
それは,彼が勝利したというしるしを残し,
わたしの愚かさが警告を受けるようにさせたものです。
7.瞬時の間に,光がわたしの心を満たし,
洪水がみなぎり堤防を破ったようです。
わたしは直ちに栄光の無限であることを見て,
わたしが礼拝するように迫り,身を隠すように迫りました。
わたしははじめて自分の罪の重大さ,
自分の無軌道,自分の汚れを知りました。
8.ああ,思えば,わたしがかつて創造の主,全能の神に打ち勝ったとは!
荒唐無けいの極みで,災いに該当すべきです!
死に至るべきであり,恵みもなく死ぬべきです!
わたしの両手は反逆し,
主なる神が身動きできなくなるように強迫しました!
9.あなたは何という栄光の神であり,
万軍の主は何と輝いていることでしょう。
あなたがどなたであったかをひとたび認識し,
あなたはどのような方であるかをひとたび見ると,
わたしは大声で叫び,涙を流し,悩み切れず,ひざまづきます。
10.どうしてあり得るでしょうか! どうしてできるでしょうか!
神の御顔を見て,神に対抗するとは!
わたしは悩んで穴があったら入りたいほどであり,
少しでも自分の恥を覆いたいほどです。
どうしてこのようなことが起こる前に,
わたしは滅ぼされ,この世から消え去らなかったのでしょうか?
11.わたしはもうろうとして,高ぶりのゆえに盲目になりました。
わたしが神に勝ったと思うと,
肝がつぶれそうでぞっとすることを禁じ得ません。
全身が無力になり,ただももだけで済むでしょうか?
節々がみなはずれ,崩れつぶれてしまいます!
12.わたしは今,自分の生涯を振り返ると,
完全に腐敗の事に満ちていることを見ます。
自分を保って,神を犠牲にし,愚かな心がただいい気になって,
自分の思いによれば,祝福とは神に強いて
自分の要求を聞かせることにあると思い込みました。
13.わたしは欲望があれば天に服従してもらい,
わたしが主張して天に案配してもらい,
好みがあれば神が譲歩されることを望み,
働きがあれば神が導いてくださることを望み,
もし天が早く来るよう切に急がせれば,
そのたびに神に負けさせないことはありません!
14.この世の中にまさかこのような邪悪が,
高ぶり,強情で,偽りの人が存在しているとは!
主よ,あなたはわたしがヤコブであり,
腐敗に満ち,憎むべきことに満ちていることを知っておられます。
わたしは何の望みもなく,ただあわれみを望みます。
来てわたしのこの心の腐敗をあわれんでください。
15.わたしは今やあわれみを受け,触られ,
足を上げてよろめき,恵みはしるしを残しました。
わたしがもし忘れてしまったなら,新しいもものつがいが,
わたしに何の頼りにもならないことを感じさせます。
あなたはわたしがイスラエルになることを許されましたが,
ヤコブは永遠に足が不自由になりました。
16.主よ,わたしは降服します。あなたが勝利を得られたのです。
あなたが負けてくださったゆえに,わたしは負けることを求め,
わたしは勝ったゆえに降参し,
あなたの弱さがわたしを導いて礼拝させます。
わたしは生涯恐れおののき,
みこころを行ない,御名があがめられることを願います。