310 慕い求める ― 肉を認識することを

作者不詳

1.生涯,聡明で,まだ匹敵する相手に会わず,
  エサウ,イサクはみな過去の事となりました。
  わたしは今,生死の境に至り,絶望してもなお自己に頼ります。
  手が縛られることに耐えられず,
  わたしは力を使いたいし,計略を使いたいのです。

2.だれかが陣営を討っているのをわたしは発見し,
  心は恐れながらも強情でいます。
  ただわたしの終わりの日がすでに定まることを恐れて,
  全身のあらゆる力を尽くそうとします。
  彼が来て格闘し,わたしは対抗したいのです。
  死の窮地にまだ至っていないので,まだもがき続けたいのです。

3.不思議です! わたしは過去の経験を用いて,
  一晩,格闘しても,彼は依然として倒れません。
  わたしの力はみるみる減少しましたが,
  彼には報復の意図がないようです。
  不思議です! また身を脱することができないようで,
  わたしの大胆さはまた増し加わります。

4.このような相手にかつて会ったことはなく,
  彼はわたしに彼の名前を告げましたが,
  わたしは戦っている相手はだれであったかを知らず,
  ただ彼は莫大な褒賞を持っていることを知っています。
  わたしは彼に迫ってわたしに祝福を与えさせ,
  わたしに祝福を与え,屈服するよう彼に迫りました。

5.夜明けになっても勝負がつかず,
  なすすべがなく,力もなくなったようです。
  彼は迫られてわたしに祝福を与え,
  またほめて,わたしは勝ったと言いました。
  わたしの新しい名はイスラエルであると言い,
  わたしが立ち上がると,もものつがいがはずれてしまいました!

6.かすかな光がわたしの暗い心に差し込み,
  照らし始めてわたしに理解させました:
  もしわたしに力があるなら,なぜ筋が触られたのでしょうか?
  わたしが勝ったなら,なぜもものつがいがはずれたのでしょうか?
  それは,彼が勝利したというしるしを残し,
  わたしの愚かさが警告を受けるようにさせたものです。

7.瞬時の間に,光がわたしの心を満たし,
  洪水がみなぎり堤防を破ったようです。
  わたしは直ちに栄光の無限であることを見て,
  わたしが礼拝するように迫り,身を隠すように迫りました。
  わたしははじめて自分の罪の重大さ,
  自分の無軌道,自分の汚れを知りました。

8.ああ,思えば,わたしがかつて創造の主,全能の神に打ち勝ったとは!
  荒唐無けいの極みで,災いに該当すべきです!
  死に至るべきであり,恵みもなく死ぬべきです!
  わたしの両手は反逆し,
  主なる神が身動きできなくなるように強迫しました!

9.あなたは何という栄光の神であり,
  万軍の主は何と輝いていることでしょう。
  あなたがどなたであったかをひとたび認識し,
  あなたはどのような方であるかをひとたび見ると,
  わたしは大声で叫び,涙を流し,悩み切れず,ひざまづきます。

10.どうしてあり得るでしょうか! どうしてできるでしょうか!
  神の御顔を見て,神に対抗するとは!
  わたしは悩んで穴があったら入りたいほどであり,
  少しでも自分の恥を覆いたいほどです。
  どうしてこのようなことが起こる前に,
  わたしは滅ぼされ,この世から消え去らなかったのでしょうか?

11.わたしはもうろうとして,高ぶりのゆえに盲目になりました。
  わたしが神に勝ったと思うと,
  肝がつぶれそうでぞっとすることを禁じ得ません。
  全身が無力になり,ただももだけで済むでしょうか?
  節々がみなはずれ,崩れつぶれてしまいます!

12.わたしは今,自分の生涯を振り返ると,
  完全に腐敗の事に満ちていることを見ます。
  自分を保って,神を犠牲にし,愚かな心がただいい気になって,
  自分の思いによれば,祝福とは神に強いて
  自分の要求を聞かせることにあると思い込みました。

13.わたしは欲望があれば天に服従してもらい,
  わたしが主張して天に案配してもらい,
  好みがあれば神が譲歩されることを望み,
  働きがあれば神が導いてくださることを望み,
  もし天が早く来るよう切に急がせれば,
  そのたびに神に負けさせないことはありません!

14.この世の中にまさかこのような邪悪が,
  高ぶり,強情で,偽りの人が存在しているとは!
  主よ,あなたはわたしがヤコブであり,
  腐敗に満ち,憎むべきことに満ちていることを知っておられます。
  わたしは何の望みもなく,ただあわれみを望みます。
  来てわたしのこの心の腐敗をあわれんでください。

15.わたしは今やあわれみを受け,触られ,
  足を上げてよろめき,恵みはしるしを残しました。
  わたしがもし忘れてしまったなら,新しいもものつがいが,
  わたしに何の頼りにもならないことを感じさせます。
  あなたはわたしがイスラエルになることを許されましたが,
  ヤコブは永遠に足が不自由になりました。

16.主よ,わたしは降服します。あなたが勝利を得られたのです。
  あなたが負けてくださったゆえに,わたしは負けることを求め,
  わたしは勝ったゆえに降参し,
  あなたの弱さがわたしを導いて礼拝させます。
  わたしは生涯恐れおののき,
  みこころを行ない,御名があがめられることを願います。

(歌詞/全訳 切り替え)

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