1.手腕にたけたヤコブのよう, われ負けたことがない;
生死のさかいにいたるも, まだなお自己にたよる;
負けたくないがゆえに, ちから尽くし,けいりゃくす。
2.エサウをおそれながらも, 自己はつよく,ごうじょう;
わがさい後の日をおそれ, ちからのかぎり尽くす;
主が来てかく闘すると, ひっ死にもがきつづける。
3.不思議!過去の経験もちい, かく闘すも,主たおれず;
わがちから減しょうするが, かれに報ふくの意なし;
われはあとにも引けず, だいたんにようきゅうする。
4.このかつてないあい手が, その名を告げられても,
たたかうあい手,わからず, ただその偉だいさ知る;
われ,しゅくふくをせまり, しゅくふくひたすらもとむ。
5.夜明けまでしょう負つかず, 主にしゅくふくをせまる;
「なれは勝ち」と主に言わせ, イスラエルと呼ばれる;
もものつがいがはずれ, われ,あしが不自由となる。
6.いま,照らされ,理かいした, 真のしょう利はなにかを;
わがもものすじをはずし, かれのしょう利をしめす;
かれはしるしをのこし, わがおろかさを警こくす。
7.瞬時ひかり,こころ満たし, 洪ずいのよう押しせまる,
無限の栄光は礼はいさせ, 身をかくすようせまる;
おかしたつみのおもさ, 無軌どうとけがれを知る。
8.あわれにも,かつておもう, 創造ぬし,かみに勝ったと!
なんという無知なことよ! なんというわざわいよ!
わが手もて,主にそむき, 主よ,ゆずれ,と主にせまる。
9.主は何という栄光のかみ, 万軍の主,何というこう輝;
主がだれか,ひとたび知り, いかなるかたか見れば,
われさけび,なみだして, 悔いあらため,ひざまずく。
10.かみの御かおを見て,なお, かみに対抗し得ようか?
されど,たいこうしたわれ, あなあれば,はいりたし;
このわれがほろびずに, 消え去らないのはなぜか?
11.なにもわからずたかぶり, それゆえ盲もくになる;
かみに勝ったとおもうと, おそろしさ禁じ得ない:
われ全身無りょくになり, ふしぶし,はずれ,くずれる。
12.いまおもうに,わがしょう涯, 堕らくと腐はいに満つ:
われはかみを犠せいにし, おろかにも満ぞくする;
自己の要求を通すこと, しゅくーふくとおもい込む。
13.われはなんと自己ちゅう心, ねがいあればふくさせ,
主ちょうあれば案ばいさせ, このみあれば譲歩さす;
わがはたらきのために, かみをうごかそうとする!
14.世にこのようなひとあり, 傲慢,がん固,だますもの!
主よ,われまことにヤコブ, 腐はい,こうかつさに満つ;
ただあわれみをのぞむ, 主よ,われをたい処しませ。
15.あわれみはももにさわり, めぐみはしるしのこす;
わすれると,もものつがい, われにおもい出させる;
イスラエルとなるとも, ヤコブはあしが不自ゆう。
16.われ降ふくし,なれは勝つ, 主よ,勝利はなれのもの,
なれ負けてくださったゆえ, われ負けることねがう;
生がい,おそれおののき, 御むね成し,御名をあがむ。